早稲田大学理工学術院では、技術職員が業務実践の内容を報告する『技報』を毎年発行しており、2022年には第50号を発行しました。近年の発表タイトルをカテゴリ別に公開します。

発表年カテゴリタイトル筆頭執筆者
2024年プロジェクト活動シンガポール科学実験教室の実施報告塩井 菜穂
2024年科学実験教室Blockly + CircuitPythonによる二足歩行ロボットプログラミング教材の開発中川 翔
2024年科学実験教室コンクリートを用いた科学実験教室テーマ構築ー小学校低学年生に科学とその社会利用を伝えるためにー小松 麻理奈
2024年機械・材料系分野/地球・環境系分野「加工学・実習F」「マシニングラボ」の実習内容改善田中 悠輔
2024年機械・材料系分野/地球・環境系分野マシニングセンタのリニューアル橘 和希
2024年科学実験教室科学実験教室ユニラブにおける小学校低学年向け実験テーマ開発のポイント山形 光
2024年電気・電子通信系分野MATLABとPCの周辺機器で理解度向上を実現した実験環境の構築木村 浩三
2024年化学・物理系分野”自然現象における数理的構造を理解する”応用数理実験(物性系実験)実験紹介と新規項目「ブラウン運動の観察」の立ち上げ新澤 香代子
2024年化学・物理系分野「高分解能質量分析法を専門家から学生へ」ー理論から測定・解析まで一連の教育プログラム構築ー田中 碧
2023年科学実験教室早稲田佐賀中学校との中高大連携の新たな取組み 坂田 匠平
2023年科学実験教室二液性硬化樹脂を用いた「固まる」現象への”不思議さ”の提起梅澤 和仁
2023年基礎理工系分野教職課程化学実験の再編とこれまで梅澤 和仁
2023年機械・材料系分野/地球・環境系分野勾配開水路における沈砂槽の設計・検証各務 彰紘
2023年電気・電子通信系分野学びを止めない在宅実験の勘どころ尾﨑 太一
2023年電気・電子通信系分野メカトロニクスラボA改革遠藤 直人
2023年電気・電子通信系分野絶縁破壊実験の紹介~高電圧実験機器更新を機に~米山 昌樹
2023年化学・物理系分野SEMにおける観察パラメーターの検討髙木 牧子
2023年生命科学系分野生命医科学実験Ⅰ「動物実験の基礎」におけるマウスの対外受精実験の導入久留主 幸江
2023年化学・物理系分野マイクロ波による難溶解性食品分解とICP-MSによる含有金属の分析高橋 陵太
2022年基礎理工系分野理工学基礎実験1A「コンデンサーを設計してラジオを聴く」実験装置改良とその評価西 佑起
2022年機械・材料系分野/地球・環境系分野教育実験用ガソリンエンジン性能実験装置の新設各務 彰紘
2022年電気・電子通信系分野プリント基板設計ソフト(KiCad)の実験授業への導入米山 昌樹
2022年化学・物理系分野FAB-MS後継候補のフィジビリティ検証渡部 祐喜
2022年生命科学系分野質量分析計に係る利用環境の整備—プロテオミクス用ナノLC-MS/MS法の条件検討—宮永 賢
2022年プロジェクト活動「技術の継承」を目的とした分析研修プログラムの開発と運用齊藤 純一
2021年基礎理工系分野COVID-19下における理工学基礎実験の対面実施報告山脇 卓也
2021年機械・材料系分野/地球・環境系分野研究支援活動窓口のオンライン化とwebサービス活用について田中 悠輔
2021年機械・材料系分野/地球・環境系分野ものづくり教育におけるオンライン/ハイブリッド授業の展開と効果荻野 禎之
2021年電気・電子通信系分野1年生にあるべきコロナ禍のオンライン実験−総合機械工学科1年 メカトロニクスラボFの導入事例−遠藤 直人
2021年電気・電子通信系分野コロナ禍におけるオンラインを活用した実験科目運営報告−2020年度春学期 電気工学実験室におけるオンライン実験開発記録−尾崎 太一
2021年化学・物理系分野各種薄膜X線測定法の紹介三好 賢太郎
2021年化学・物理系分野遠心沈降学生実験の開発山本 浩史
2021年機械・材料系分野/地球・環境系分野各務記念材料技術研究所 加工・試験室におけるマシニングセンターの導入について三野 峻
2021年化学・物理系分野窒素キャリアによるGCMS分析への移行 - 揮発性有機化合物等を例に -柳澤 恒夫
2020年機械・材料系分野/地球・環境系分野授業におけるロボットの活用検討大坪 康郎
2020年機械・材料系分野/地球・環境系分野学生一人ひとりが装置に触れる機会の創出を目指した低コスト計測システムの開発— 建築工学実験C「動的実験」 —蓮村 崇
2020年科学実験教室科学実験教室テーマ「ロボ吸」の発展−国際展開とデモ機開発−各務 彰紘
2020年電気・電子通信系分野半導体物性評価における実習プロセスの改善西川 直
2020年生命科学系分野生物学実験の改訂前田 直哉
2020年化学・物理系分野物性計測センターラボにおけるヘリウム削減杉村 夏彦
2019年機械・材料系分野/地球・環境系分野実験教育への反転授業導入−機械材料系授業への導入における工夫と効果−大坪 康郎
2019年機械・材料系分野/地球・環境系分野研究用オートグラフの導入によるリサーチサポート体制の強化田辺 茂雄
2019年機械・材料系分野/地球・環境系分野流れの可視化実験装置の改善 ─ワンボードマイコンArduinoの活用例─北川 哲也
2019年機械・材料系分野/地球・環境系分野ものづくりをテーマとしたPBL型実習と主体性を促す工夫点の紹介〜総合機械工学科 プロダクションプラクティス〜田中 悠輔
2019年機械・材料系分野/地球・環境系分野実験室の記録と未来江川 清次
2019年機械・材料系分野/地球・環境系分野「教える」技術の涵養を通じた大学院生の大学教育参画支援の取り組み—ルーブリックの活用と横のつながりを作るランチ会—荻野 禎之
2019年電気・電子通信系分野電子物理システム実験A「回路製作演習I・II・III」の再構築山形 光
2019年化学・物理系分野Direct Analysis in Real Time付加イオン評価杉村 夏彦
2019年プロジェクト活動第六回大学間交流会 実施報告書 −慶應義塾大学・関西大学技術系職員との科学実験教室の体験と意見交換−山田 恭平
2018年プロジェクト活動グローバル・リクルーティング・プロジェクト〜技術職としての留学生獲得への貢献〜齊藤 純一
2018年科学実験教室小学生向け科学実験授業の国際展開〜「早稻田大學 歡樂科學體驗教室in台灣」での取組み〜田中 悠輔
2018年科学実験教室科学実験教室テーマ開発および実施報告— ゆらゆらテーブルを作って地しんに強いこうぞうを知ろう —蓮村 崇
2018年機械・材料系分野/地球・環境系分野金属引張試験へのサーモグラフィ適応大坪 康郎
2018年機械・材料系分野/地球・環境系分野蒸気原動機実験装置計測データのトレンド表示/収集システムの構築北川 哲也
2018年科学実験教室科学実験教室新規テーマ開発および実施報告−空気と水のチカラでモノを運ぶロボット「ロボ吸」−各務 彰紘
2018年化学・物理系分野グロー放電発光分析装置(GD-OES)の紹介と活用案の検討後藤 隆弘
2018年化学・物理系分野遷移状態計算による反応機構解析杉村 夏彦
2018年電気・電子通信系分野高真空蒸着装置に関連した学生実験の工程改善と特性改善泉 芳夫
2018年電気・電子通信系分野A/D変換実験装置の更新窪田 泰明
2018年プロジェクト活動第五回大学間交流会 実施報告書 −慶應義塾大学・関西大学技術系職員との情報共有と意見交換−尾崎 太一
2018年化学・物理系分野超高速液体クロマトグラフ?飛行時間型質量分析装置の紹介関口 茂代
2018年WASEDAものづくり工房WASEDAものづくり工房におけるラーニングアシスタント活用事例中川 翔
2017年基礎理工系分野新規実験項目「ブラウン運動」の紹介中川 翔
2017年機械・材料系分野/地球・環境系分野英語による専門実験科目展開の工夫蓮村 崇
2017年機械・材料系分野/地球・環境系分野熱工学・流体・制御工学実験室での危険予知活動の導入春田 京久
2017年安全教育・安全衛生分野関西大学「2016防災Day」に参加して梅澤 和仁
2017年化学・物理系分野ESI付加イオン予測法の開発杉村 夏彦
2017年電気・電子通信系分野「コンピュータネットワークI・II」における実験環境の整備椿野 結哉
2017年電気・電子通信系分野情報通信実験C「無線通信I」の開発吉岡 直人
2017年電気・電子通信系分野OPアンプ用電源の制作戸田 喜夫
2017年プロジェクト活動第四回大学間交流会 実施報告書 −慶應義塾大学・関西大学技術系職員との安全衛生に関する活動紹介と意見交換−高橋 宣之
2017年生命科学系分野乳酸脱水素酵素(LDH)を題材とした実習の改善と展開について菅井 恵津子
2017年機械・材料系分野/地球・環境系分野「加工実習F」「マシニングラボ」の実習内容及び支援体制の改善—旋削作業におけるトロンボーン型ホイッスルの開発—高橋 宣之

『技報』は、早稲田大学が創立100周年を迎えようとしていた昭和50年(1975年)に創刊されました。当時の理工学部長による「発刊のことば」をご紹介します。

理工学部技報発刊のことば   ———理工学部長 平嶋政治

 われわれを取巻く諸問題が世界史的転換を迫られ、大学も存立を問われ、その意義が論ぜられている現代、特に科学技術がその本質を糾され、その社会性が厳しく批判され続けている。

 このような時期に科学技術の教育研究を担い、輝かしい歴史と、誇るべき伝統とを持つ早稲田大学理工学部は、全学をあげて問題の核心を探り究め、英知を集め歴史の流れと、来たるべき社会を適確に把握し、それらにかかわる科学技術の位置づけと方向性を確立し、創立100周年を迎えるにふさわしい大学「早稲田」の未来像を画き、その実現に着々と歩を進めている。理工学部技報が、かかる時期に発刊されることは、時宜を得、その役割は大きい。

 学の独立と自由を標榜し、輝しい歴史を形成してきた早稲田大学の中にあり、理工学部教育の誇るべき伝統は、絶えざる調査研究に裏付けられた独創性に富む意欲的な講義と、長年に亘る豊かな経験、貴重な反復試行を基礎とし、綿密周到に計画され、技術職員の協力に支えられた実験実習、また、それらに応えるに未来を志向し、真理の探究と技術の習熟に積極的な学生の気風である。このような教育環境、精神風土の中で伝統が生れ、維持され、新しい力を得て引継がれて行く。

 かかる伝統、気風条件が豊かな創造性をはぐくみ、実践力を育だて、その教育研究の成果は、すでに本学における多くの学術誌、各種刊行物、また各分野の学会誌、協会誌その他により公表され、学問の進歩、社会の発展に寄与していることは広く社会の認めるところである。

 ここに新しい企画の下に発刊される理工学部技報は、永い間に磨き積み重ね受継いで来た技術、実験の開発改良、装置の試作等教育研究の実務面において、日々の創意と工夫を重ねている経過と、努力の結晶を記録し、明日を拓く生きた科学技術教育を支えている技術職員の真の姿を、早稲田大学の内外に広く示すものである。

 この理工学部技報を共通の場として、技術職員が相寄り共に語り、想を練り技を磨き、新しい時代来たるべき社会に向って、理工学部の科学技術教育をより一層充実発展させるべく精進を続けることを願うと共に、全学諸賢の声援を期待する。

『技報』第1号、昭和50年4月.