理工学基礎実験1A(物理系)
理工3学部1年生全員(約1700人)が受講する実験科目(必修)です。
本実験は「科学の最も基礎的な概念を理解する」「ものづくりを体験する」「身近な現象を科学の視点でとらえる」「より科学的なアプローチをする」「目に見えないものを視覚化する」などを目的としています。ものづくりやシミュレーション、さまざまな物理量の計測を通じて、実験やプレゼンテーションの基礎的訓練を行うとともに、主体的に考え、課題を解決していく能力や態度を養います。
電磁誘導
電磁誘導現象と自由落下する物体の運動を合わせて学習します。パイプの中をさまざまな高さから棒磁石を落下させてパイプ外側に巻かれているコイルに発生する起電力をコンピュータで記録、解析します。理論から得られる値と実測した値はどの程度一致するのか、一致しないとすればその要因は何かなどを考察したり、起電力データから重力加速度を求めるなど、データ処理の基本を学びます。
エレクトリック・ギター
身近なエレクトリック・ギターにも波動や電磁誘導、信号処理など多くの物理現象がかかわっています。この実験では、スチール弦を2本張ったギター装置を使って弦が振動する様子を観察したり、弦の張力、長さ、線密度と振動数との関係を測定します。また弦の振動を電気信号として検出し、オシロスコープで波形や周波数スペクトルを観察します。
物理現象のシミュレーション
シミュレーションを利用する際の有効活用法や注意点を学び、物理現象を再現することで、現象を理解、予測する方法を学びます。一例としてブラウン運動における変化を観察・解析する実験や、波の概念や波動方程式の1次元、2次元の各場面について、反射や回折、運動の様子を観察、データ処理を行います。
不確かさを見積もる
実験において、測定によって得た値には必ず不確かさを伴います。そこで、測定対象の量を知るには複数回測定したときの平均値を計算することで最適な推定値を得ることができます。このようにして得た実験結果がどれだけ精確なものかを示すには、測定値やその最適推定値の不確かさを正しく評価することが重要です。本実験では、振り子の周期の測定を通じて、不確かさとは何か、どのようにして不確かさを見積もるのか、についての基礎を学びます。
コンデンサを設計してラジオを聴く
平行平板コンデンサの容量が極板間の距離、極板面積、極板間に挟む絶縁体の種類によってどのように変化するのかを測定します。また容量が可変できる平行平板コンデンサとコイルとの共振現象を利用し、AMラジオ放送を受信することで、共振現象について学習します。
レンズを作る
ものづくりの楽しさと、光学の一端に興味を持つことを目的としています。高校の物理学で学んだ光の現象とレンズの性質を実験で検証し、非球面レンズを制作します。小型フライス盤に特殊治工具をもちいてアクリル丸棒を双曲面加工、研磨することで、各自が高倍率(20倍)で収差のない非球面レンズを作ります。
■関連実験室 理工学基礎実験室(化学系)、理工学基礎実験室(生命科学系)
理工学基礎実験1B (物理系)
理工3学部学生全員(約1700人)が受講(必修)する実験科目です。
ものづくりやシミュレーション、さまざまな物理量の計測を通じて、実験やプレゼンテーションの基礎的訓練を行うとともに、科学の最も基礎的な概念の理解、主体的に考え、課題を解決していく能力や態度を養います。
エアーホッケーの物理
ゲームとしての楽しみを味わいながら、摩擦の少ない平面滑走台上における円板同士の衝突、円板と壁との衝突、跳ね返り運動などを調べることで、速度、角速度、運動量、運動エネルギー等を求めこれらの量の間にある関係を考察します。
熱と気体分子の運動
高校物理で学習する範囲の熱力学の内容を実験で確認します。シリンダーを用いてボイル・シャルルの法則に関する実験と気体定数Rの測定を行い、法則の確認を行います。また、シリンダのピストンを操作し、気体を圧縮・膨張させることで熱力学第一法則に基づく断熱過程の評価、熱サイクルの観察などを行います。
光と波動
回折格子を用いて白色光を分光し、光路に色フィルタを置いて、色とスペクトルの関係について理解します。次にレーザ光を用い、スリットによる回折現象、回折格子による干渉現象の観察を行い、光学の基礎を学びます。
ブラウン運動
顕微鏡およびUSBカメラを用いて、モニター上でポリスチレン製の極小ビーズの動きを測定し、ブラウン運動の測定および解析を行います。この実験を通じて、ミクロな「ゆらぎ」を直接観察し、「ミクロなランダム過程が全体のマクロな動向を支配している現象」をについて理解を深めます。
計測器を使う
直流電圧や交流電圧、抵抗回路等の電圧測定を通じてテスターやオシロスコープ、ファンクション・ジェネレータ等、測定器の基本的な操作方法を習得します。また、コイルに生じる誘導起電力の測定や、音の波形などの観察をオシロスコープを用いて自力で行い、実験を通じて自分が知りたい測定値を得るためには何をどう使えばよいのか考えることの重要性を学びます。
電子回路工作
アナログ電子回路の基本素子であるトランジスタ、コンデンサ、抵抗、発光ダイオード(LED)を使用して非安定マルチバイブレーター(astable multi-vibrator)を製作します。電子部品の取り扱い方や、その動作についても学びます。
発表と討論
自分が得た結果をまとめて他の人々の前で発表することや、他の人の発表した内容を聞いて自分が疑問に思うことを質問したり、自分の意見を述べることは、研究者、技術者にとって大切なことです。この項目では実験で得た結果を題材に、発表の仕方、発表用資料の作り方などプレゼンテーションに必要な諸技術を身につけることを目的とします。
■関連実験室 理工学基礎実験室(化学系)、理工学基礎実験室(生命科学系)
実験室時間割
春学期
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1限 | ||||||||||
2限 | 理工学基礎実験 1A | 理工学基礎実験 1A | 理工学基礎実験 1A | 理工学基礎実験 1A | 理工学基礎実験 1A | |||||
3限 | ||||||||||
4限 | ||||||||||
5限 |
秋学期
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1限 | ||||||||||
2限 | 理工学基礎実験 1B | 理工学基礎実験 1B | 理工学基礎実験 1B | 理工学基礎実験 1B | 理工学基礎実験 1B | |||||
3限 | ||||||||||
4限 | ||||||||||
5限 |