熱工学・流体・制御工学実験室

目に見えない現象を工学する。

熱や流れといった目に見えない現象を定量的に捉えること、狙った状態に制御することは機械・土木分野では特に重要です。この実験室では本物の自動車エンジンや軸流圧縮機(ジェットエンジン用)を使って、エンジン性能を計測したり、目に見えない流れを可視化する実験を実施しています。

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機械科学・航空宇宙実験1・2

基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科 【3年春・秋学期必修

■関連実験室 材料実験室

流体工学に関する実験

機械科学・航空実験1では、流体工学に関する基礎実験として、「空気管路の実験」、「管摩擦の実験」を実施し、粘性摩擦やReynoldsの相似則、流量・流速・圧力の計測方法を習得します。また、流体機械に関する基礎実験として、「遠心ポンプの性能試験」を実施し、流体機械の相似則、性能評価法に加えて、キャビテーションなどの非定常現象について学習します。これらは、機械・航空分野で扱う流体の基礎であり、講義で学習した知識の再確認を行います。
機械科学・航空実験2では、より実機に近い試験装置を用いて、機械・航空分野で扱う流体工学、流体機械の幅広い知識の習得を目指します。具体的な実験項目は、
(1)航空エンジン用軸流圧縮機の翼間流れ計測と性能評価法、
(2)過給機用遠心圧縮機の非定常現象と性能評価法、
(3)往復圧縮機の性能試験
があります。いずれの実験も高温、高圧、高速、非定常な流れを対象とした高度な実験であり、詳細な流れ場計測とデータの処理・解析方法も合わせて習得します。

遠心圧縮機

計測制御に関する実験

制御工学に関する講義で学習した基礎的な理論を実際に適用します。そこで重要な役割を果たす調節器(コントローラ)の特性を調べ、コントローラを用いた色々なシステムを対象とした実験を実施し、制御方法について理解を深めます。また、シミュレーションと実験の比較・検討を行います。
これらにより、学んでいる工学的知識が実際の場面と有機的に関連づけられ、解析・設計する際の基礎を修得することを目的としています。具体的には、電気回路あるいは空気圧回路とコントローラを用いた実験、水位調節に関する実験、サーボ機構に関する実験などがあり、それぞれの装置にはシミュレーション設備が付随しています。

サーボ機構の実験装置

熱工学に関する実験

熱力学・燃焼工学・伝熱工学などの講義科目で習得する知識と連動させ、熱現象の理解を深める課題を設定します。実験項目には、ジェット・レシプロエンジンの性能試験や、ボイラの性能試験があります。

航空ジェットエンジン

メカニカルエンジニアリングラボF

創造理工学部 総合機械工学科 【3年春学期必修】

■関連実験室 材料実験室

内燃機関の性能試験

実機に使われているエンジンの台上試験で計測した動力・燃料消費量・温度・圧力などから、出力・燃料消費率・熱勘定を計算し、エンジン性能の把握と測定技術を習得します。また実験結果の発表(プレゼンテーション)も実施します。
その他の項目として「管摩擦または空気管路の実験」「遠心ポンプの性能試験」「計測制御に関する実験Ⅰ -1」「計測制御に関する実験Ⅰ -2」を行います。

自動車ガソリンエンジン

メカニカルエンジニアリングラボA
(環境・エネルギ部門)

創造理工学部 総合機械工学科 【3年秋学期必修】

■関連実験室 材料実験室 電気工学実験室

高度で専門性の高い実験を実施するため、医療・ロボティクス部門、環境・エネルギ部門、デザイン・共創部門ごとに設定した3~4つのテーマが設けられています。自分の所属研究室に近い分野の知識・能力を自ら試行錯誤しながら身につけます。実験、発表などを数週間にわたりじっくり取り組み、専門知識や自ら考え行動する力を養います。

ボイラ・小型蒸気タービンの性能実験

実機のボイラを動作させて蒸気を発生させる。供給熱量、給水、排ガスに関する諸量を測定して、ボイラの性能値、熱勘定を求める。またボイラで発生させた蒸気によりタービンを動作させる。タービンの機械効率、蒸気消費率などの性能値を求めると同時に、内部効率の概念を把握、理解する。

ボイラ・タービン実験装置

燃料電池に関する実験

化学エネルギーを電気エネルギーに変換する燃料電池に、燃料ガスを供給して起電させる。作動原理、起電特性、エネルギー変換特性について理解を深める。

燃料電池

衝突噴流実験

ノズルから空気を吹き出し、ヒーター箔に衝突させて空気流れと温度分布を測定する。それにより二次元空気衝突噴流の熱伝達特性を求め、流れと伝熱の関係について考察する。

社会環境工学実験

創造理工学部 社会環境工学科 【2年春学期必修】

■関連実験室 土質実験室(学科実験室) 材料実験室

身近な水環境の水質

身近な水環境(河川や湖沼など)で採取した水を分析し、水質について理解を深めます。その過程で水質分析の基本的手法を学びます。

層流と乱流の観察

レイノルズ実験装置を用いて円管内の流れの層流と乱流を観察します。観察を通して層流と乱流、レイノルズ数、粘性といった概念について理解を深めます。

平面水槽を用いた津波の実験

平面水槽内で海岸に襲来する津波を再現し、沖から陸上にかけて津波がどのように変化するか観察し理解を深めます。

豪雨による裸地斜面の浸食と流砂現象の観察

模擬斜面上に人工降雨を降らせた時に生じる水と土砂の流れを観察し、模擬斜面が浸食を受け流路群 (模擬河川) が形成されていくプロセスを確認することにより、「移動床流れの水理学」の基礎となる部分にふれ理解を深めます。

常流・射流が混在する流れと跳水の観察

開水路において生じる「常流」「射流」についての理解を深めるとともに、この一方から他方への流れの遷移について観察します。特に、射流から常流への遷移の際に発生する跳水については十分な観察が必要であり、いかにエネルギーが損失されるかを理解します。

水理・水質実験

創造理工学部 社会環境工学科 【3年春学期必修】

水門と堰を伴う流れの実験

水路勾配を変化させたときや流れを遮るように上から水門が差し込まれたときに水面形はどのように変化するのであろうか。さらに、不等流の中の特別な状態を表す等流とはどのような流れか。実験を通して確認し、理解を深めます。

波動の実験

造波装置により実験水路(幅0.4m、高さ0.8m、長さ約12m)に波を発生させ、波の伝播速度(波速)と波による水粒子の運動特性を調べます。また、微小振幅波理論による結果と比較検討します。

総括酸素移動容量係数の測定

下水処理では活性汚泥(微生物)を用いて浄化しています。活性汚泥には多量の酸素(空気)が必要であり、下水処理場全体の電気使用の50%が空気発生機械によって消費されているため、効率的な酸素供給が必要になります。この実験では効率的に酸素を供給するために必要となる酸素移動現象、移動速度について学びます。

管摩擦の実験

2種類の材質・数種類の円形断面を持つ管に水を流し、管径や材質による流れの影響、流速や管摩擦損失との関係等を調べます。

開水路の流れの実験

傾斜水路(幅0.4m、高さ0.5m、長さ10m、水路勾配約1/35)に水を流し、水面形について調べ、不等流についての理解を深めます。

ダムを越える水の流れ
総括酸素移動容量係数の測定

実験室時間割