有機化学実験室

身近に溢れる有機を紐解く。

有機化学は炭素を骨格とした、私たちにとって最も身近なところで関わっている化学分野の一つです。この実験室では、有機化合物の合成、分離、精製の原理や技術を習得するための基本操作について学ぶことができます。

トップ 化学・物理系分野 有機化学実験室

有機化学基礎実験

先進理工学部 応用化学科 【1年秋学期必修

有機化学実験は、有機化学反応による合成と、その生成物を分離・精製することから成り立っています。この実験では有機化学の基礎的な実験技術を学びます。実験報告のトレーニングも行います。

薄層クロマトグラフィー

シリカゲルを塗布したアルミ板上で複数の化合物を同時に分離します。芳香族化合物を紫外線吸収で識別します。この手法により反応や分離・精製の結果が確認できます。

合成

合成反応として、アセチルサリチル酸のケン化反応、続くサリチル酸のエステル化反応を学びます。

常圧蒸留、減圧蒸留、分液操作、再結晶

分離・精製する手法として、各種単位操作を学びます。

有機化学実験

先進理工学部 応用化学科 【2年秋学期必修】

有機化学の講義で学んだ有機化合物の構造、反応、合成、および精製を、一連の多段階合成実験を通して、活きた知識として活用できるようにします。また、実験と並行して、機器分析を利用した有機化合物の同定法について演習形式で学び、実際に自分の合成した化合物の分子構造の解析を行います。

ホスホランの合成

ブロモ酢酸エチルとトリフェニルホスフィンからホスホニウム塩を合成し、これに水酸化ナトリウム水溶液を作用させてホスホランを合成します。

ケイ皮酸エステル類の合成、カラムクロマトグラフィー、ケイ皮酸類の合成

合成したホスホランを未知のベンズアルヒデヒド誘導体とWittig反応させ、ケイ皮酸エステル類を合成し、カラムクロマトグラフィーを用いて単離します。これをケン化反応によりケイ皮酸類へと誘導します。

融点測定・構造解析

合成したケイ皮酸類の融点測定およびスペクトル解析により、そのケイ皮酸類の構造と、使用した未知ベンズアルデヒド誘導体を決定します。

有機化学実験

先進理工学部 化学・生命化学科 【3年春学期必修】

有機化学実験の基本操作、各種有機化学反応、有機化合物の合成、精製と構造解析を行います。有機化学に対する理解を深め、卒業研究に向けて有機化学実験の基礎を習得します。

基本操作

有機化学の基本操作である有機化合物の分離方法には、溶媒抽出法、蒸留法、クロマトグラフィーなどがあります。
数種類の化合物を含む混合物を分離し、基本操作を習得します。また、実験に先駆けて、ガラスの加工法についても学びます。

ニトロフェノールの合成[芳香族親電子置換反応]

フェノールをニトロ化して得られたニトロフェノールを、水蒸気蒸留によって分離します。それぞれ再結晶で精製した後、融点測定して文献値と比較します。核磁気共鳴分光装置(NMR)で測定してスペクトルの解析もします。

アントロンの合成[酸化還元反応]

アントロンを合成し、融点測定で確認します。また、ChemDrawというソフトを用いて構造式の描き方も学びます。

ベンゾピナコールの合成[光化学反応]

ベンゾフェノンにLEDランプ光、太陽光を照射して光化学反応を起します。

ペニシリンの環拡大反応によるセファロスポリンの合成[多段階合成]

ペニシリンを出発物質とし、5段階の反応を経てセファロスポリンを合成します。生成物はNMRを測定し、スペクトルの解析を行います。

アセトフェノンの合成[フリーデルクラフツ反応]

光学活性化合物の合成[触媒的不斉合成]

シクロペンタジエンと無水マレイン酸のDiels-Alder反応[立体選択的反応]

(±)-4-tert-Butyl-2-methylcyclohexanoneの合成と分子エネルギー計算[有機立体化学]

Grignard試薬とブロモベンゼンのCrossCoupling反応[有機金属化学]

生命医科学実験Ⅰ

先進理工学部 生命医科学科 【2年春学期必修】

1年次に授業で習得した知識をもとに以下の実験的手法から有機化学の基礎を学ぶ。
A 化学結合の形成(分子と分子の結合)。
B 有機化合物の分離(官能基の性質の理解)。
C Grignard反応(官能基の変換)。
D 核磁気共鳴スペクトル(NMR),赤外分光法(IR)による解析(化合物の同定)。

■関連実験室 生命科学実験室物理化学実験室

実験室時間割

春学期
秋学期