化学分析実験室

分析は化学の命。

化学分析とは化学的な手法で物質の成分や組成、構造を調べる技術です。本実験室では重量分析・容量分析・機器分析など基礎技術から大型装置を使用した機器分析まで幅広い知識と技術を習得する授業を実施しています。

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無機分析化学実験

創造理工学部 環境資源工学科 【2年春・秋学期必修

春学期は重量分析・容量分析を用いて鉄鉱石などの鉱石中の目的元素の定量を行い、分析化学の基礎を学びます。秋学期の前半は各種の鉱物を含む複雑硫化鉱石中の目的成分を系統的に分離し、機器分析による組成決定を行います。後半は河川・池などの水をサンプリングして水質分析を行います。

鉄鉱石中の不溶解残渣とFeの定量
(ヨウ素滴定及び重量法)

赤鉄鉱と石英を含む試料を酸分解し、ヨウ素滴定を用いFe量を求め、さらに、ケイ酸からなる不溶解残渣を重量法により定量する。

マンガン鉱石中のMnの定量(沈殿滴定)

軟マンガン鉱、石英、鉄とアルミの酸化物を含む試料中のMnを滴定により定量します。

天秤室

炭酸塩鉱石中のCaとMgの定量
(キレート滴定)

苦灰石、石英を含む試料を酸分解し、キレート滴定で定量分析し、カルシウム、マグネシウムの量を求めます。

炭酸塩鉱石中のCaとMgの定量
(キレート滴定)

天然水中の無機イオン分析

水質分析に不可欠な項目であるpH、導電率、主要金属イオンの分析方法を実践的に学びます。

複雑硫化鉱石の系統分析と機器分析

各種鉱物を含む複雑硫化鉱石の試料を酸分解し、共存成分を系統的に分離した後、重量法、容量法、機器分析を用いて定量します。

水のサンプリング

無機分析化学実験

先進理工学部 化学・生命化学科 【2年春学期必修】

分析化学で用いる実験器具、試薬、分析機器を正しく安全に取扱うための基本操作を習得します。また、古典的な分析手法である重量分析、容量分析を学びます。これは現代でも重要な分析手法で、基礎的な概念を学ぶことができます。また、金属錯体を合成して、合成物化学分析・機器分析を行います。

硫酸カリウム中のSO₄²⁻の定量

重量分析とは目的の元素・成分をできるだけ損失なく分離し、その質量を測定する方法です。

トリスエチレンジアミンコバルト(Ⅲ)錯体の合成と光学分割

硫酸カリウム中のSO₄²⁻の定量

中和滴定、酸化還元滴定、ヨウ素滴定、キレート滴定、沈殿滴定

容量分析とは、試料に濃度のわかっている溶液を少量ずつ加え、反応に要する体積を測定して、目的成分の濃度を求める方法です。

ケイ12タングステン酸の合成と結晶水の決定

タングステン酸ナトリウムと水ガラスの混合溶液に塩酸を加え、ケイ12タングステン酸を合成し、中和滴定によって結晶水の数を決定します。

キレート滴定

機器分析実験

先進理工学部 化学・生命化学科 【3年秋学期必修】

最近の分析機器はブラックボックス化されていますが、機器の原理を理解して初めてデータを正しく使うことができます。この実験では、機器分析の原理の理解に重点を置き、データ解析をソフトを使用せずに個々の解析プロセスを経験します。

ICP発光分析

ICP発光分析は、試料が発光する際のエネルギー準位が元素固有であることを利用して元素分析をする手法です。ミネラルウォーター中のSiやMgを定量します。

ガスクロマトグラフィー

ガスクロマトグラフはガスや溶液などの混合試料を分離し、各成分の同定を行う分析装置です。混合有機溶媒の定性、定量分析を行います。

ICP発光分析

磁化率の測定

磁気天秤を用いて合成した錯体などの磁化率の測定を行い、銅の電子配置を考察します。

トリス(L-アラニナト)コバルト(III)錯体の合成とCDスペクトルの測定

錯体にはいくつかの異性体があります。実験では、L-アラニンを金属に取り付く化合物として異性体を作ります。溶解度の差を利用して分離し、CD分光光度計を用いて確認します。

磁化率の測定

蛍光X線分析、原子吸光分析、CD(円二色性)分光分析、イオンクロマトグラフィー、電解分析、X線回折分析、錯生成定数の測定

フタロシアニン銅(II)の合成

尿素、無水フタル酸、塩化銅及びホウ酸を混合・融解してフタロシア
ニン銅を合成します。合成した錯体の磁化率の測定を行います。

原子吸光分析

無機・分析化学実験Ⅰ

先進理工学部 応用化学科 【1年秋学期必修】

実験の安全教育から分析化学に用いる実験器具・試薬の基本操作を習得します。容量分析は古典的な分析手法ですが、現代でも重要な手法です。この手法を用いて分析化学の概念を学びます。

基本操作、中和滴定、酸化還元滴定、キレート滴定、沈殿滴定

容量分析法とは、標準溶液(濃度がすでに正確に検定されている溶液)が試料溶液中の元素もしくは化合物と定量的に反応することにより、その試料溶液中の元素もしくは化合物の物質量を測定する方法である。

酸化還元滴定

無機・分析化学実験Ⅱ

先進理工学部 応用化学科 【2年春学期必修】

各種機器分析の手法を学び個々の原理を理解し、データ解析のプロセスを経験します。

ICP発光分光分析、原子吸光分析

発光・吸光する際のエネルギー準位が元素固有であることを利用して元素の含有量を分析する手法です。

蛍光光度分析

クロマトグラフィー

原子吸光分析

NMR

核のエネルギー準位が磁場中で分裂することを利用して、核周辺の環境を調べる方法です。

NMR

紫外・可視吸光光度分析
(吸光光度法による亜硝酸イオンの定量)

紫外・可視分光光度計を錯形成による発色・吸光度による定量を行います。

紫外・可視吸光光度計

■関連実験室 物理化学実験室

応用化学実験Ⅰ

先進理工学部 応用化学科 【2年秋学期必修】

基礎実験科目の履修により培われた基礎的実験能力を基に、各種機器分析を行い、幅広い実験・研究能力を身に付けます。

イオンセンサ

ガラス電極や ISFETというトランジスタを利用し、pHやアルカリ金属イオンの定量を行います。

電解分析

Cu²⁺とNi²⁺の混合液からCu²⁺を電解還元することにより銅のみを回収して定量を行います。

イオンセンサ

蛍光X線分析

セメント中のAl、Feを定量します。

X線回折分析

蛍光X線分析

赤外・ラマン分光分析

紫外・可視吸光度分析
(酵素を利用したL-乳酸の定量)

赤外・ラマン分析

その他の実験科目

物理実験A、応用物理学実験A / 先進理工学部 物理学科、応用物理学科 【3年通年選択】

応用化学実験Ⅱ・物理化学実験 / 先進理工学部 応用化学科 【3年春学期必修】

実験室時間割

春学期
秋学期